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2025.11.6
“淡路うず助”誕生秘話
~松島聡オフィシャルインタビュー~

2025.11.6

これまで、グループのキャラクターデザインを担当し、2023年には東京表参道ヒルズで『松島聡 コ。展』を開催するなど、アート作家としての活動を積極的に取り組んできた松島さん。今回、地域に寄り添ったアート活動が始動しました。兵庫県南あわじ市で2025年10月19日にリニューアルオープンを果した地域を代表する観光施設『道の駅うずしお』内に設置された、全幅6mの大型デジタルサイネージ“うずしおビジョン”のシグニチャーキャラクター、“淡路うず助”が松島さんのデザインによって誕生しました。
松島:アート活動は『コ。展』で終わらず、これからもずっと続けていきたいという想いがあるのですが、2024~2025年はtimeleszの新しいスタートとなり、個人でのアート活動がなかなかスケジュール的に難しかったですね。でも、アートには常に触れていたい…僕らの仕事や、社会に役立てるような形でもアート活動をやっていけないかなと思っていたところで、南あわじ市さんの『道の駅うずしお』のリニューアルに向けた新しいシグニチャーデザインの企画との出会いがありました。ありがたいことに、僕がデザインさせていただくことになり、この“淡路うず助”は今後、僕がキャラクターデザインをしていく上で、基調にしていきたいと思っています
「淡路うず助」原画と松島聡
道の駅うずしおから大鳴門橋を臨む
「淡路うず助」原画と松島聡
道の駅うずしおから大鳴門橋を臨む
松島さんは静岡県出身ですが、南あわじ市に何か所縁が?
松島:それが、僕のアート活動を知ってくださった南あわじ市さんからの、アーティストとしての依頼でした。それが本当に嬉しくて、そこにtimeleszの松島聡だからという意味合いもあったとしても…グラフィックアートをやっているタレントさんが多くいらっしゃる中で僕にお声がけいただいたことがありがたかったです。起用の理由に、“松島さんの人間性もオファーに繋がりました”と。僕の内面も評価してくださったそうで、身に余る光栄でした」
皆さんに夢や希望、勇気を与えるキャラクターのデザイナーは、やはり人間的にあたたかみがあり、クリーンな方であってほしい…それも重要なことで。
松島:これまで真面目にやってきたつもりですが(笑)、今回のことで、より真面目にやっていこうって思いますよね

Sexy Zoneの際にデザインしたキャラクター“セクベア”などもありましたが、デザインに関連性はありますか?
松島:セクベアもファンの方々に愛していただき、もちろん僕も大事にしているのですが、その頃はまだ僕もアートに関してフワフワしていたと言いますか(笑)。松島聡のイラスト、アートと言えばこういうもの、と言うものがまだ見出せていない時期に描いたものだったのですが、その時その瞬間の考えで生まれたのがセクベアだった…そんな印象があります。timeleszの今年のツアーグッズのキャラクター“TAM”は僕のデザインではないのですが、デザイナーさんには“セクベアを感じられる要素を入れたキャラクターにしてほしい”というオーダーはさせてもらいました。これは、(菊池)風磨くん、(佐藤)勝利、僕の3人の意見でした

©So Matsushima/STARTO ENTERTAINMENT
だからでしょうか。うず助には、松島さんのこれまでのイラストの血筋がしっかりとあるように感じました。
松島:松島:『コ。展』を経て、僕のアートの方向性が見えてきたところで今回のお話でした。今回描くキャラクターは、今後、松島聡が描くキャラクターの軸にしたいという想いに至ったので、締め切りを少し伸ばしていただきたいとお願いし、今後を見据えてしっかりと考える時間が必要でしたし、また多くの方々に長く愛されるキャラクターでなければならない…そんなプレッシャーもありました
その熱意と責任から生まれたうず助だからこそ、松島さんをちゃんと感じるものになったんですね。
松島:自分とかけ離れたキャラクターにはしたくない、と言う想いもありました
ただ、松島聡さんは感じられても決して押し付けてはいないと言うか。例えば、松島さんのファンの方ならその“らしさ”を感じ取ると思うのですが、『道の駅うずしお』に訪れた観光客の方には、ただ、渦潮をモチーフとした愛らしいキャラクターとして見るのではないかと。
松島:そこが、僕が一番大事にしたかったところです。今回のお話をいただいた時、timeleszの松島聡ではあるけれど……描いたのはアイドルの僕ではないと。いちアーティストとして求められていることに徹したかった。とは言え、松島聡がデザインする意味も大事にしたかったので、そのバランスはよく考えました。いつか、うず助が当たり前にいる、そんなふうになってくれたらと願っています。松島聡のその先に自然に、当たり前にいるキャラクターとして認知されたら嬉しい限りです。そのためにもどこか懐かしさも感じられるような、親近感のあるキャラクターがいいなと思いました
親近感は、キャラクターにとって大切な要素だと感じます。
松島:線の太さ、細さであるとか、目の大きさ、等身などで、どんな層に愛されるか、印象がだいぶ変わると思ったので、僕はターゲット層を、子供たちに寄せて描きました。子供たちがうず助を親しみ、楽しんでいる様子を見て、大人も同じような気持ちになってくれたら、大人が広めてくれると思ったので
「淡路うず助」のサイン入り原画を
守本憲弘南あわじ市長に手渡す松島聡
「淡路うず助」のサイン入り原画を
守本憲弘南あわじ市長に手渡す松島聡
うずしおビジョンでは、うず助を大きく鮮明な画像で拝見することができたのですが、それで気づいたことがありまして。基本、顔やボディなどはデジタルなタッチですが、渦潮のように描かれた髪の部分だけ、手書き感が残っていて力強く感じました。それは意図的に?
松島:敢えてそうしました。僕の性格上…いつもなら線は丁寧に繋げたいんですよ。その丁寧さは僕のアート活動において大事にしている部分ですし、『コ。展』はどの作品も本当に細部にまでこだわって作りました。だから、僕が作品を仕上げるのには時間もかかる。今回の作品ももちろん丁寧にやりました。けど、うず助には優しさと強さの両方を出したくて、丁寧さからはみ出した何かがあったほうがいいんじゃないかと考えて、渦潮をモチーフにした髪に手書き感をわざと残しました。
ぜひ、『道の駅うずしお』に遊びに来ていただいて、うずしおビジョンで見ていただきたいですね。
松島:それは本当に。僕もうずしおビジョンで初めてうず助を見て、そう思いました



©So Matsushima/STARTO ENTERTAINMENT
進行としては、松島さんがイラスト見本を描いて、デザイナーに細かく指示したんですか?
松島:僕が、新しいキャラクターを受け取る側だとしたら、いろんな表情が欲しいなと思ったので。今回、アニメーションにもしていただくというお話だったので、バリエーション豊かにうず助をお渡しして、自由に動かしていただきたいと思いました
松島さんなら、手書きの粗さにも実はこだわりがあったんじゃないですか?
松島:おっしゃる通り(笑)。一度、これで決定!となったあとに、線の粗さ加減に納得がいかない箇所を見つけてしまって、修正させてもらったのですが。それをスタッフさんに送ったら、“これ、どこを直したの?”と気づいてもらえませんでした(笑)。僕にとってはどうしても直したいこだわりの箇所だったけど、普通に見る分には違いがわからない程の細かい部分でした(笑)
スタッフさんが全国のお父さん代表で、子供たちなら気づいたかもしれませんね(笑)。
松島:まぁ、本当に細かなこだわりの修正だったので(笑)
鳴門海峡の渦潮を観潮船に乗って実際に肌で感じて、インスピレーションを受けてデザインしたそうですが、生みの苦しみとか、ありましたか?
松島:渦潮を観て1か月後ぐらいに、降りてきた感じだったかな?それまで何も浮かばなかったわけではなく、1か月の間、こうしようかな、ああしようかなと頭の中でそれこそ渦潮のようにグルグルといろいろなアイデアが巡っていました。それをいざ描いてみようというタイミングが渦潮見学から1か月後ですね。案はいくつかあって、抽象的なキャラクターも最初は候補にありました。兵庫県をはじめ、いろいろな地域のキャラクターを調べて、似たようなものにならないように気をつけたりもしました



©So Matsushima/STARTO ENTERTAINMENT
うず助の、パーカーにハーフパンツという服装は松島さんの私服っぽい?
松島:そうですね(笑)。自分なりの要素があっていいか悩んだんですけど、それよりどちらも親しみやすいアイテムということで問題ないかと。決めたくなかったのは性別です
男の子…ではない?
松島:男の子に見えます…よね?それでいいのですけど、こちらとしては性別を決めないキャラクターのほうがどんな層の方にも愛されるんじゃないかなと。うず助という名前からして男の子っぽくはあるのですが、僕が込めた意味合いは、“助ける”の“助”なんですよ
うず助は、お守りのような存在であってほしいと…そういう意味も込められているそうですね。
松島:そうですね。うず助もいつも近くにいて、寄り添ってくれるような存在であってほしい。お守りのようになってほしい…と思っております。ちょうど、デザインを考えているとき、タイプロの時期と重なったんですよね
タイプロ…新メンバーを募集し、開催されたオーディション、『timelesz project- AUDITION-』ですね。
松島:はい。人との出会いあり、別れがあり、仲間を探す立場として、人との向き合い方に大いに悩んだ時期でもあったのですが、ファンの方々の存在も含め、これまで僕のことを支えてくれた方たちへの感謝も考えると、うず助には、ひとつ恩返しのような気持ちも込められているかもしれません。うず助が誰かの勇気になる、助けになる…そんな存在になってほしい。そんな意味を込めたからには、僕自身がこれからもっと大きな人間にならなくちゃいけないなと。僕が育っていけば、うず助も育ってくれると思うので

大事なのは、存在意義であって。それが男の子、女の子どちらでもいい。
松島:そこは皆さんに委ねます。もしかしたら、今後、“女の子のキャラクターも考えてください”というオファーがきたとしたら、必然的にうず助は、男の子になっちゃうし(笑)。渦潮をPRするキャラクターであることが最も大事な意味でもありますからね。世界遺産登録を目指している鳴門海峡の渦潮のプロジェクトのひとつなので
うず助も共に、世界遺産登録を目指す仲間になりそうですね。
松島:おこがましいですけど、うず助が世界遺産登録へと繋ぐことができれば…そんな嬉しいことないです。それこそ、うず助の“助”の意味が生きてくる。僕は今、27歳ですけど、僕が関わったことで子供たちや若い世代が、世界遺産を目指すプロジェクトを知る、興味を持つきっかけになってくれたらいいですよね。うず助でさらにコミュニティを広げて、注目度を高めたいです!
キャッチフレーズにありましたね。みんなで“ウズウズ”。大きな夢に向けて、うず助とみんなでウズウズしたいですね。
松島:真面目なので(笑)、いろいろと深く考えはしましたけど、今回のキャラクター制作、とても楽しかったです!アートに関しても新境地を開くことができましたし。うず助は、今後の僕のキャラクターアートの軸なってくれると思います
『コ。展』は松島さんの中にあるものをアートとして世に出した、淡路うず助は、求められて考え、何かのために誰かのために生み出した……。
松島:その感覚は僕にとって新しいものでした。キャラクターは長く残っていくものだから、少しも後悔したくなくて。納得するまでこだわって描いたうず助。僕、あまり自画自賛できないタイプなんですが、……うず助は本当にかわいい(笑)。僕、自信を持ってお届け出来ます
オファーがあって、デザイナーが納品したキャラクターですから、“すごくいいものが生み出せた!自分は気に入っている”という想いが持てたのは、プロとしても正しいと思います。
松島:ですよね(笑)。30歳をひとつ節目とするなら、27歳の今、本当に素晴らしいアート活動をさせていただきました。うず助と共に僕も成長し、次々と新しい取り組みをしていきたいと思っています

インタビュアー:堀江純子
撮影:山越 隼